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私について
私はとある建築設計事務所に配属され働いている。
本当は空間デザイナーとして活躍しているはずだった。
しかし、コロナウイルスの影響で派遣先が人を受け入れないと言い始め、配属されたのが意匠設計事務所だった。
学校ではデザインの勉強しかしてこなかった私は勉強することが多く、大変な毎日を送っていた。
それでも、派遣先が人を受け入れてくれるまで、社会の勉強だと思い仕事に励んだ。
しかし配属された部署はというと、上司は現場や役所へ毎日のようにいくため事務所不在、もう一人の上司は面倒を見てくれず、わからないことを聞いても教えてもらえないことが多々ある。
そんな見放された部署だった。
私の通勤時間は片道2時間半という長旅を月曜日から金曜日、毎日送っていた。
2時間半かけてたどり着く事務所、見放された部署で私は何をするかというと、図面を書くわけでも資料を作るわけでもなく、パソコンと見つめあってはネットサーフィンをし、電話がなれば対応する。それだけだ。
同期はというと、新しい知識を蓄えたり、上司に面倒見てもらったりと仕事をこなしていた。
そんな同期が羨ましく、成長していく姿に焦る私もいた。
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