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今の私
「ふわぁ。あれは、子供の頃の夢……?」
幼稚園に通う前から決めていた将来の夢。
大人の世界を知らなかったあの頃は叶うと信じて、店を開くための知識を高校生になるまで頭に詰め込んできた。
「もっと頑張っていれば、夢は叶ったのかな」
高校生になり、大人の世界というものを少しずつ学び始めた。そして社会を知ったことで、私の夢は儚く散ってしまった。
「小さな夢だったな」
あの頃から見ると、私の夢はとても大きな夢だった。夢は私の頭を半分以上占めていた。だから小さい頃はいつも、カフェについての本を読んでいたし、カフェを経営するための本も読んでいた。私が行ける範囲内のカフェに何度も通ったりもした。
今はカフェに通うことは滅多に無いし、カフェに関する本なんて本棚の飾りになっている。
「私の夢は一体何だったんだろう……」
私は臆病だ。今の社会で一人で生き残る自信なんて無い。だから夢を諦めた。小さい夢だと、無理やり納得させてまで社会で群れている。
「やばい! もうバイトの時間だ!」
気づけばもう午前8時。もう出ないとバイトに間に合わない。
こんなことを考えてしまったのは、昔の夢を見たせいなのかな……。
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