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【エピローグ】
ーーー 今日も雷雨だ。
あの夕立の情事以来、雨音を聞くと想い人の香りが纏わりつき、心と身体の芯がどうしようもなく火照り疼いてしまう。
彼の存在が雨水のように私の脳と身体に沁み入っているのだ。
想い人を脳裏に描きながら他の誰かに抱かれる私はズルい。
だが今の私には、想い人と同じ骨格を持つ彼の背中に腕を回すことしか出来ないのだ。
私はきっとまた、彼の背中に指を這わせながら、車窓を伝う夕立ちのように敏感な部分を濡らしてしまう。
そう…愛しい想い人に思いを馳せながら。
茂みの泉を濡らしてしまうのである。
〈了〉
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