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中学を卒業し、私は高校に入学した。
生暖かい風と心地よく舞う桜の花びらを見るのが好きだ。
「ひなも高校入学ね」
隣に立っていたお母さんはそういう。
制服はダサいが私がいきたかった高校だ。
そう思い、入学式に出席した。
私の高校は男子生徒のが多く、学ランの黒色がよく目立っていた。
私は中学のくせで男子をジャガイモとしてしか見ていなかった。
もちろん、向こうも私のことを芋女だと思って見ているだろう。
そう思っていると、入学式を終え、教室に戻った。
「え〜明日は、部活動見学があるので各自いきたいところをチェックしておくようにな〜」
担任がプリントを配りながら指示をし、私は目を通した。
私のいきたい部活は決まっている。
ダンス同好会だ。
私はコソコソとダンス教室に通っていた。
やるつもりはなかったのだが、4つ下の妹がやり始めたのを見て私もやりたくなった。
人に見られるのは普段だったらきついものの、ダンスを踊る私を見る人の目はキラキラと輝いていた。
普段の私を見る目とは真逆でこんなにも嬉しいのかと感動させられた。
私が入った高校はあいにく同じ中学の人がいなかったため、思いっきりダンスをやっていたということをアピールできる。
とても気が楽だ。
早く明日にならないかなと思い、帰宅後すぐに支度をし就寝した。
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