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突き出した手の平に、ぱた、と冷たい感覚がする。引っ込めてみると、滴がぽつんとあった。
この滴は今まで空のずっと上にいたんだな。空に昇る前は、どこにいたんだろう。どこかの川か。それとも海か。うんと遠い場所なのだろうな。
そんなところにいたのが、巡り巡ってあたしの手の平にいるのだ。
不思議な気分になって、しげしげと滴を見下ろす。手の中で滴はふるると揺れて、喜んでいるみたいだと思った。
あたしはつい笑みをこぼす。
そして、そっとささやいた。
「おかえり」
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