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「おぬし、あやつの孫か?」
突然話しかけられ戸惑うことしか出来ない琉星に、彼女は訝しげな顔をする。
「なんじゃ?聞いておらんのか?」
「……な、何を、ですか?」
やっとの事で出すことのできた琉星の声は震えていた。
「ここは、あやかし共専用のよろず屋。妖珏堂じゃ。」
「よ、うこく、どう?」
「まさかおぬし、この漢字も読めなかったのか?」
「……」
彼女の問いに琉星はこくりと頷く。
「おぬし、よく聞けよ。ここはさっきも言った通りあやかし共が集まる世界、そしてここは最もそれが集まる店。妖珏堂じゃ。
ここにおぬしのような何も知らぬ人間がいれば抵抗する術もなく喰われるぞ
死にたくないなら今すぐ帰れ!!」
物凄い剣幕で言葉を放つ、女の子に琉星は思わず後ずさってしまう。
「まあまあ、スズちゃん。そんな言い方しなくても」
ふと、店の奥から眼鏡をかけた男がにこにこと笑いながら出てきた。
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