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「そう!なんてたってかーくんの孫なんだからねっ!」
「あの、祖父って一体何者なんでしょうか?」
琉星の質問に答えたのは横にいるリョウだった。
「んぁー?爺さんは膨大な妖力を持った術士だよ」
「術士……?」
琉星はあまり聞きなれない言葉に首を傾げる。すると、リョウは面倒くさそうに後頭部をガシガシとかきながらも説明を始めた。
「んだぁ?お前何も知らねーんだな。
術士っつーのは名前の通り"術"を操る者だ。
ほら、御伽噺にもあるだろ?魔法使いって、あれみてーなもんだ。」
「なるほど……」
「んで、爺さんは術士の中でも特段優れた術士で、主に妖術を操ってるっつーわけだ」
「妖術……」
琉星の呟きに、先程奥に引っ込んでいたスズが顔を出した。
「妖珏堂はあの人の術で成り立っておるのじゃ」
「スズさん…」
「おう、スズ久しぶりだな」
「わぁ!スズちゃんだぁ!!」
リョウはスズの姿を認識すると、片手を挙げ、横にいたホノはいつの間にかスズに抱きついていた。
「に"ゃっ!やめろ!ホノ!!」
「あーん、かーわーいーいー!!」
つんつんとスズの頬をつつくホノを鬱陶しいそうにしながらも顔を赤らめているスズに、琉星とリョウは顔を見合わせて笑った。
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