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「スズさん、この子本当に子供ですか?」
見かけによらず丁寧な挨拶に琉星は思わずスズに問いかけると、スズは突然すっとシロに向かって手をかざした。
瞬間、ボンッと音を立て、シロの周りから煙が上がる。
「えっ!」
煙が消えると目の前には、長身で色白の着物を着た美青年が立っていた。
「こやつは化け狐じゃからな。初対面の者にはこうやって可愛く化ける訳じゃ」
「やだなぁ、スズさん。今日も相変わらず美しいね」
そう言うとシロはスズに近づき、手をとったかと思うとその甲に口付けた。
スズはすっと目を細めるとすぐに手を引っ込め、またシロに向かって手をかざした。
「相変わらず口の減らないヤツめ。やはりお前を祓ってしまおうか」
「はは、冗談はよしてくださいよ」
「本気じゃ」
急に口調や性格の変わったシロに戸惑う、琉星の肩をテンがぽんと叩いた。
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