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・・・そして話は冒頭に戻る。
琉星は、意を決してブロック塀に空いた穴を通り抜けた。
するとそこには一匹の黒猫が尻尾をゆらゆら揺らめかしながらじっと琉星を見据えていた。
まるで琉星を迎えに来たような、そんな不思議な感覚がした。
黒猫は琉星の存在を確認すると、後ろを振り向き、ゆっくりと歩いて行く。
まるで着いてこいと言わんばかりに。
琉星の足は自然と動いていた。
黒猫に引っ張られているような、そんな気さえするが今はそんなことなど気にならなかった。
ただ夢中で黒猫を追いかけた。
しばらくすると、目の前に膨大な光が見えてきて、琉星は抵抗する間もなくその光に包まれてしまった。
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