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眩い光のせいでぐっと閉じていた目を、恐る恐る開けてみる。
するとそこには────……
「な、なっ!」
1ミリのズレもなく、綺麗に並ぶ赤提灯。
どこからか聞こえてくる太鼓の音。
京都の街並みのように並ぶ和風の建物。
そして……。
人ならざる者たちがそこに居た。
琉星が驚きで立ち止まっている間も黒猫はずんずんと前に進んで行く。
はっと意識を取り戻した琉星は、慌ててそれを小走りで追いかけた。
しばらくして、黒猫はとある建物の前でふと立ち止まった。
「?」
琉星は黒猫が向く建物を見ると、外観は古めかしくも、他の建物よりも立派な、威圧感の漂う日本家屋のような建物がそこにあった。
ふと、建物に掲げられてある立派な木の看板を見てみるとそこには"堂珏妖"と書かれてあった。
「もしかして、ここ……!」
琉星がそう呟いた瞬間、ばっと建物の扉が突然開き、琉星は先程の光のように建物の中に吸い込まれてしまった。
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