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最初の出会いこそ、結構適当に会話していたが
改めて男を見ると、すらりと身長は高く、線は細くて女みたいに華奢なんだけど、身体の節々は男らしく筋肉もうっすらついている
顔も綺麗だからモテてきたんだろうと想像した
それに何となく、昔付き合ってた…
いや…
「いいわよ、私の身体でよければ…」
気張って言ったつもりだったが、何となく声が震えていたかもしれないなと思う
「じゃあ、契約成立という事で…」
彼はどこからか出した白い錠剤を手に持ち、それを私の目の前にあったシャンパンに入れた
みるみるうちに錠剤は溶けて消えてゆき、跡形もなくなる
こんなに早く溶ける錠剤あるの…?
ホントに薬…?
「それを全部飲み干したら、契約完了だよ」
これを全部飲んだら…
そっとグラスの足を持ち、シャンパンを煽る
炭酸が効いているはずなのに、何故かするすると飲みやすい…
私は一気に飲んだ
グラスをゆっくり置く
…なんとも…ない?
でもお酒を飲んだから、頭が少しぼーっとして眠気が…
「俺が売ってるのは麻薬と言う名の愛
依存して、のめり込んで
そこから抜け出せない」
何か彼がぶつぶつ言っていた気がするが、そこで私の記憶は途絶えた
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