幻想なるおともだちに

5.蛇足(ご近所さん)

　はぁそうですか。あそこの息子さんが。へぇ。ま、やるだろうなぁって気はしてたんですよねぇ。
　なんせほら、あそこの家。
　色々とトラブル多かったですから。お母さんも少しヘンな人でね。

　息子さん……ええっと、康介くんだっけ。あの子が小さいうちは、もう泣き声がすごくてね。あと家を飛び出してったり。
　うちの娘も同級生だったんですけど、小学校に上がってもひどかったんですよぉ。
　授業中に、突然逃げ出したり。学校を脱走するなんて、もう日常茶飯事！

　それにね、ええっとあれば何年生だったかしら。
　担任の先生の机に、割れたガラスがぎっしり詰め込まれていてねぇ。ガラスよ？ ガラス！
　先生、手をザックリ切っちゃって。あれもあの子がやったって話しよぉ。
　他にも、ウサギ小屋が荒らされたり。
　まぁそれは、イタチの仕業だってことになったけど。多分康介君がやったんだろうなぁって。

　いつも一人でいてね。
　ほんと不気味な子でしたよ……。