蝶々と飴

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ゴロゴロドーン 1,2。 ピカッ 激しい雷の音と稲妻の光にハっとして、瞬きをした。 また妄想してた……。 渡せるわけもないキャンディの包みをポケットの中でいじる。 自意識過剰気味の、妄想過多の14歳。 雨の音に包まれて、おかしくなっている。 残念なイケメン先輩とおしゃべりしているのは空想で、ずっと気まずい無言だけど、雷がやばいのは、現実だ。 ちらっと先輩の顔を見るけど、ただこの状況がウザイって顔をしている。 私、ずっと秒数を数えているから、雷が近くなっていると思うんだけど。 まったく平気なのか、馬鹿で全然この危機に気が付いていないのか。 どうしよう。 私、台風のサル並みに、わくわくする方だけど、これはさすがに…… 「あっ」 その瞬間、ドドドオーンっとものすごい轟音で、光と音が同時に降ってきた。
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