蝶々と飴

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放課後、部室へ行くのに渡り廊下を渡ると、風にもう雨の匂いが混じっている気がする。 くんくんしながら一人で半笑いで渡って行くと、角に素行の良くない先輩グループが数人たむろしているのが目に入った。 ちらっと見る限り、あの残念なイケメンの先輩もフェンスに寄りかかっている。ついでに、入学当初、思いっきり喧嘩をふっかけて来た変な女の先輩も一緒にいる。 やばい。 半笑いをやめて、目を合わせないように、なるべく自然に通りすぎる。 あの変な女の先輩には、この中学に入学してすぐ、いきなり「生意気」だと詰め寄られた事がある。 私が髪に止めていたクリップが大きかった。 それだけ。 そんな事であの女に詰め寄られ、いきなり頭を叩かれた事がある。 そんなバカな女が残念なイケメンの先輩にヘラヘラしている。 真面目じゃないだけで、ちょっといけてるグループっていうわけじゃない。ちょっと昔のヤンキーっぽさがあって、田舎の中学生ぽくってダサい。 残念すぎる。
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