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じっと地面の水の蝶々模様を見ていたら、突然人影が目の前に現れて、びっくりした。
「あっ」
同じ様にバス停に走って逃げ込んできたらしい男の人が、ぶつからないように私を避けると、隣に立った。
ちらっと顔を見たら、あの先輩だった。
あ、見た目は良い、残念な人、来た。
音も視界も雨に包まれて、小さなバス停に二人で隠れている。
何か始まっちゃいそうだけど、実際、何って起こるわけがない。
ただ、ただ気まずい。
同じ学校の後輩だとは気がついているだろうけど、知り合いでもない。
狭い空間で、真正面を向いていることしかできない。
ただただ、目の前の道路に跳ねる蝶々を見つめる。
バシャバシャと飛び上がっては、消える。
その形が雨の強さに比例して、次第に大きくなっていく。
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