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ハネズの計画はこうだ。
次期国王になる予定の王子を倒し、ハネズが王に成り代わる。アオイ以外、王子の姿を見たことがある者がいなくなっている故に可能なことだった。城の警備の仕事をしているハネズ自身も、仕事の時は顔まで鉄の鎧で覆ってしまっているため、衣食住を共にする僕以外には顔を知られていないのも幸いした。
計画は単純だけど、簡単ではない。何しろ僕達は王子がどこにいるのかわからないのだ。
と思っていたら、ハネズはそれはわかっていると言う。お披露目の準備のため、王子の代わりに顔を見せなければならないところに出向いているアオイを見つけ、その後をこっそり着けたらしい。そして、王子とアオイが共に過ごす秘密の部屋を見つけたという。
「ずるい。僕もアオイに会いたいのに。」
「そう言うなよ。俺が国王になったら、いつでも会えるようにしてやるから。」
唇を尖らせる僕に対して、ハネズはいつも通りの人の良さそうな顔で笑った。
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