番外編 

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【後編】 ピンポーーーン おっといけないいけない 水道から水を出して手を洗う 固まったホワイトチョコがなかなか取れなかった お湯を出すことで解決した 急いでエプロンで雑に拭き玄関まで早足で歩く 扉の嵌め込み砂ガラスからは黄金色とオレンジの服が見える ガシャ ガチャン… 二重ロックをはずして扉を開ける 「は~いいらっしゃ」 「トリックオアトリート!」 「…」 「と、トリックオアトリート!!です!」 「…」 「と、とりっくおあ、とりーと!…です…」 「あっ!ごめんびっくりして!本当にごめん!」 ガオーとポーズを構えたまま次第に不安げな 顔をしてしょんぼりとしてきた照輝くん 心なしか首周りのふわふわとした立髪が萎れてきた気がする 「それって、ライオン?」 「はい…訳ありでして」 小学生の訳ありって何!?いじめられるの? 《前日》 「もしもーーし!テルちゃんいますかぁー!!」 「その間伸びした呼び方とちゃん付けやめてください!」 白瀬家に招かざるものが現れた 東兄の喜一だった 「それで、何の御用でしょうか」 「ほんと俺にはデレないね」 「デレるって何ですか?」 「好きってこと!」 「ならデレることは一生ありません!」 「おーツンデレキャラでいくかんじ?燃えるじゃん」 「はぁそれでなんの御用ですか?これから晩御飯の準備なんですが」 「え!?晩御飯何?」 「あなたに関係ないです」 「やっぱツンデレじゃんかっわいい~!」 ピシャンッ 「ごめんごめん!悪かったからあけて!あーけーて!」 「うるさいです!ご近所に迷惑ですよ!」 「ライオン丸も結構うるさいと思うけど」 「あなたが悪いんです!」 「はぁ先が長そう。かおるっちにはデレデレなのに…」 「なっ!?デ、デレデレなんかじゃ」 「え?嫌いなの?」 「ありえません!!」 「じゃあ好き?」 「……好きですよ!大切なお友達ですから!」 「う~んそうじゃねぇんだけどなー」 「?」 「まぁいいや。これやるよ」 喜一が小脇に挟んでいたボロボロの段ボールを手渡してきた 「…なんですかこれ」 「仮装用の衣装」 「仮装?明日は集合してからじゃなかったんですか」 「まぁそうだけど。かおるっちびっくりさせてーだろ?」 「びっくり……それと何の関係が」 「それ着て明日迎えに行ってやれよ。それでトリックオアトリート!って言ってやんの!ぜってぇ驚くぞ」 ニヒヒと笑うこの男はほんとくだらないことを考える 「僕だけ恥ずかしいじゃないですか嫌ですよ」 「へぇじゃあ俺が着て迎えに行こ。それで驚かしてやるんだぁー。かおるっち喜ぶだろうなぁ!惚れられちゃうかもなぁ」 「!!なに変なこと言ってるんですか!」 「テルー?大丈夫かしら?」 ! 「だ、大丈夫!もう終わるから!」 「ニッヒッヒ」 「……そんなことで惚れちゃったりとかあり得ません!僕がちゃんと迎えに行きますので何もしないでください」 苛立って扉を閉めようとする 「ははっ!中に説明書あっからそれ読んでおけよ!ちゃんと着るんだぞ!じゃーなぁー」 そそくさと自転車を立ち漕ぎして喜一は暮れる空の下で 去っていった 何なんだ全く本当に馨くんと同じ高校生なのだろうか 段ボールは一度開封したのかガムテープが頼り無さげにくっついていてなんとか中身は露出されていなかった とりあえず自室に置いて 晩御飯を食べ終えお風呂に入り部屋で落ち着く 折角馨くんと連絡できて顔を見ることができたのに 最後にいらないことが起きてしまった 少し雑に段ボールを開封する もともと粘着力が弱いからすぐに取れた 「ん、んん?」 モフモフとした毛が入っていた カツラ? 取り出してみると半円のようになっていて 裏にはテープがついていた ピラっと紙が落ちた それを拾って開く ? 「…誰でも簡単に、百獣の王、ライオン丸に、…なれる返信セット!?」 驚いて大声を出してしまい一階にいる祖母に心配されてしまった 大丈夫!とだけ言った 何だよこれは!は、恥ずかしいじゃないか! 馨くんにこんなの見せたら笑われるか引かれてしまう すぐにスマホで仕方なく入れた連絡先に連絡する グループに入っているだけで友達リストに入ってない トーク画面を開く 「…なんですかこれ!馬鹿にしているんですか!こんなの見せたら笑われます!明日はデパートで売っているオバケの服にします!」 憤るままに文字を打つ すぐに既読になり返信が来た 馨くん相手だとすごく嬉しいのに 相手が違うだけでこんなにも気分が乗らないのか 喜一「おいおいダメだぞ!折角ネットで特売の買ったんだから着ろよなー」 照輝「絶対嫌です」 喜一「いーのかなー?それ半分はかおるっちがお金出してんだよ」 !?そ、そんな 急いで両手で文字を打つ フリック入力技術が迸る 照輝「お金は僕が返します。もちろん馨くんのぶんだけ」 喜一「おいおいそりゃないぜ坊や」 変な動物のやれやれポーズのスタンプ 無性にイラつく 照輝「あなたが勝手なのが悪いんです」 喜一「残念がるだろうなぁーかおるっち」 照輝「なんでですか」 喜一「みんなで動物の格好したら楽しいよねって言ってた」 照輝「…ほんとうですか」 喜一「マジマジ笑。特にライオンが好きなんだって」 照輝「でもこれ、キャラクターですよね」 喜一「おう。獣王戦隊のライオン丸!ソードは別売りだから買ってないわりぃな!明日枝拾ってやるから」 ムカッ ピコンッ 最初からアプリに入っている初期スタンプの丸くて白い人が怒って赤くなっているのを送ってスマホの画面を消した 決して有料を持っていないと言ったら馨くんがわざわざプレゼンしてくれた可愛い黒猫のスタンプは送らない これを、着るのか僕 憂鬱だが仕方ない… 馨くん………喜んでくれるかな? ≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫ 「つまり突然押しかけたきーくんがそれを着ろって押し付けたんだねまったく。選びたいって騒ぐから任せたけど失敗だったね。ごめんね」 「モグッ……。いえ!馨くんはまったく悪くないですあの人が百パーセント悪いんです」 「うん。今度から気をつけるよ」 今度があるかわからないけどね 照輝くんには俺がデコレーションして作ったカボチャのカップケーキを試食してもらっている トリックオアトリートって言われたし でもすごく似合っていて可愛かった それを言ったら怒らせちゃうかな 「やっぱり変ですか?これ」 「ん?!全然!よく似合っているよ」 これってこの回答が合っているのかな 「そうですか…」 そこからはモグモグと大人しく食べている 「ちなみに、ライオンは好きですか?」 「え特には」 そう言うと照輝くんは見たことない顔をして何か苦虫を噛み潰した顔をした何かまずったかな 「ど、どう美味しいかな?」 「!とっても美味しいです!お菓子も作れるんですね!凄いです!」 「まぁレシピサイトのまんまだけどさ」 「本当にすごいですよ!飾り付けも手作りなんですよねこの獏?ですか上手ですね」 「ウサギだよ」 「う、ウサギ!可愛かったウサギですね!」 小学生に気を使わせてしまった 美術は苦手なんだ 弟にも昔アニメのヒーローを描いてって言われて描いたけど麦茶だと思ったらめんつゆだった時の顔をして無言で去っていった それからその話題は一度も出なかった 先生には世界観は素晴らしいって言われるんだけどなぁ そんなことを考えていると東家についた インターホンを鳴らそうと指で押そうとしたら その前に泣き声と共に玄関の扉が開いた 「うわぁぁああああんおにいあのばがぁあ!!!」 胸に飛び込んでいたのは守だった いつも泣いているなこの子 「どうしたの……って」 涙を流しながら嗚咽して顔を上げた守 その格好はパッチワークされた生地の服ととんがり帽子と麻の袋に穴が開いていてそれを被ってほどけた縄が首にかかっていた なんだこれ 大泣きして涙と鼻水が出ていて布が濡れて色が変わっている そう観察していると無言で照輝くんに剥がされて宥められている まるでアイドルの握手会でアイドルから離すスタッフのような見事な手捌きだった 「おーい守にげんなってぇ、あっかおるっち!やっほい!」 犯人が自らやってきた 格好はなんだ?ピカピカの金属カラーの全身の服を着た男だった 「その格好何?」 「え?ブリキのきこり」 それってオズの魔法使いか 意外なチョイスだ てかいやな予感がする 「ははっライオン丸ちょー似合ってる」 「よくも騙しましたね!」 「だましてねーよ。かおるっちも似合うと思うだろ?」 「え?ああまぁ、うん」 矛先をこちらに向けないでほしい でも照輝くんはチラッと見た後ため息を吐いた まだ若いのに苦労性だなぁ 「それじゃ次はかおるっちだな」 「わっ」 手を引かれて家の中に引き込まれる なんとか靴を脱いだああまだ並べてないのに 後ろを見ると慌てながらも靴を並べてくれた照輝くんと腰に巻き付いている守が見える 守泣きすぎて顔の布が怖いよ バタンッ 手を解放されて部屋に立つ ガチャンッと鍵の閉める音 えっ? ここは自宅兼仕事場の写真屋さんの家だ ここは、久しぶりに入った暗室か 明かりがついているかは明るいけど 黒いカーテンと仕切り そして液が入った台があった今は何も入っていない 独特の香りがした ドンと作業台に小箱が置かれた amazonと書いてある てかなんで鍵閉めたんだ ……こんな時きーくんは危険なのは経験上知っている 突発的な癖になんだかんだ巻き込むために手を打っていて逃がさない迷惑なやつなのだ 「じゃーーーん!!」 バッと差し出されたのは 女性の服だった 魔女?羽?頭の中の警報が鳴り響き後ずさるがそれよりきーくんは一歩踏み出し近づく 「……きーくん、本気?」 「俺が冗談で済ましたこと、あるか?」 そんなまじめにカッコよく言っても残念なやつだからねお前 「ッ!」 サッとかわしたが扉から離れてしまった クソッ 「観念しろよかおるっち」 「こうやって守もやったのか」 「あーそうだよあいつ、ずっと泣き喚いたぜ」 サイコな悪役のように笑うきーくん 「頼む後生だ」 「ごしょう?なにそれ」 「クソっ!?誰か頭の悪くない奴はいないのか!」 キョトンとした後黒い笑みを浮かべにじり寄ってくる 「へへ、へへっふふ、えへへ」 「ひぃ」 変態のように変な声を出しながら興奮し出したきーくんリアルできもい 「た、たすけ」 「助けなんか来ねーよ。さぁ諦めて、脱げよ」 「そんな!?い、いやぁあーーー!!」 「馨くん!?馨くん!!何してるんですか!開けてください!開けろ!」 扉をだんだんと叩く音がする 助けは間に合わなかった ≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫ 「わるかったよぉ~そんなに怒んなよー反省してるよー」 腫れた頭を摩りながらきーくんは言う 「全然反省を感じられない」 「わるかったよぉーほんと怒るとこえーよなかおるっち」 きーくんの自室で本人は床のカーペットの上で正座をさせている 俺はお盆に乗ったオレンジジュースを飲みながらため息をつく 「ほんと好きにさせると碌なことにならないよね」 「そう?でも楽しくね」 「この楽観主義者が!」 拳骨の構えをするとひょえーと言って頭を手で隠した 「確かにいたいけなお子様を泣かしたのは俺でも胸が痛い」 「泣いていません!」 「泣いたけど泣いてない!」 小学生組が吠える 左右に照輝くんと守がひっついている 確かに照輝くんは目が赤いがなんとか涙は流さなかったようだ 守は普通に大泣きしたがきっと精神的なお話なのだろう あの後無理やり脱がされ着替えさせられて 一発拳骨を落として扉を開けたら 目を潤ませた照輝くんに抱きつかれ ついでに照輝くんに抱きついていた守もセットにくっついて重かった ヘラヘラ笑っていたきーくんは静かに股間を照輝くんに殴られて蹲っていた 仕方あるまい 「……」 「なに?」 「いや、ふざけ半分だったけど」 「おい」 「似合ってんねそれ」 「…嬉しくない」 今の俺の格好は 黒いワンピースに毛糸の赤いマフラー そして魔女の帽子と何故か悪魔の羽がついている 下がスースーして落ち着かない 女性はよく平気だな 「いや似合ってるよさすが俺」 「自画自賛やめい」 「お前らもそう思うよな?」 ニヤニヤと笑うきーくんに話題を振られ二人はくっついたままビクッとした 守は袋から空いた穴から二つの丸い目でジーと見つめてくる なんか恥ずかしいしホラーだからやめてほしい そして右の照輝くんは目が合うとサッと逸らされてショックを受ける やっぱり変だよね 「おいこらかおるっちへこんじゃったろうがライオン丸」 「!!そんなつもりは」 「いいよはは、変だし恥ずかしいよねこんな格好。やっぱり違うのにしようかな」 ベッドに座っていて立ち上がろうとしたが左右から引っ張られた 何気に力が強い 「なに?」 「いえ、あの、とても似合ってます」 「そ、そう」 これは喜ぶべきなのか 「うん、馨兄ちゃん似合ってる」 「マジか」 「ヘタレだなぁお子ちゃまは」 ? ぎゅっと袖を引っ張られて右を向く 「…とても似合っていて、可愛いです馨くん」 !! は、反則!そんな照れて赤い顔で上目遣いで言われるとこっちが照れる 左からも引っ張られる 「馨兄ちゃんめっちゃ可愛い!」 ありがとう。嬉しいけど今の顔では怖いぞ 「ははっ、モテモテじゃん」 「うっさい」 … 近づいたきーくんが静かに俺の顎を上に向ける そして吐息がかかるほど近づいて 「すげぇ可愛いぜ…」 どこからそんな色気のある声を出すんだと内心驚く 「「成敗!」」 左右からの攻撃によりきーくんはまた蹲った ≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫ 「トリックオアトリート!!」 みんなで来客さんに掛け声と共に逆にお菓子を配る お子様連れのお客さんには親子共々喜んでくれて反響良かった 一緒に撮ってほしいと言われたのはなんとかかわす 東家の写真館の方でお手伝いをしている ハロウィンに撮影を頼みにきたお客さんには接客するお手伝いだ 一週間前にLINEできーくんごしに頼まれたので仕方なく頷いた そして話は広がり子供たちで二時間ほどハロウィン仮装で接客をすることに 「いらっしゃいませ。本日は撮影のご予約ですか?はい、でしならこの用紙にそれぞれのナンバーにチェックお願いします。あちらでお待ちください」 引換券を渡し番号を書いた紙をきーくんの親に渡す 他の三人も一緒で各々やっている きーくんは慣れている様子でおちゃらけながらもしっかり接客して反応は良さそうだ 守もあの麻袋をやめて接客して風船やお菓子を配っている 照輝くんは老若男女に好かれて写真を一緒に撮ったり お話をして接客している ここでも人気者のようだ 「おねぇちゃんかわいいね!」 「え、あ、ありがとう。これどうぞ」 チョコ菓子を配ってなんとか笑みを浮かべて少女に応対する 頑張れ俺 「ぷふ」 「あぁ?」 「なんでもないっす」 きーくんめあとで覚えとけよ なんとかそのままお客さんに対応して時間は過ぎ 残り十分ぐらいとなって店内も落ち着いていた 「馨くんお疲れですか?辛いなら先に休んでいてもらってもいいですよ」 「大丈夫だよ。心配ありがとう」 ちょくちょく合間に心配してくれて声をかけてくれる この紳士を見習えきーくん つい睨むとなぜか頭をかいて照れた アホか! 「あ、いらっしゃいまっ!?」 「あ真田くん、ちゃん?」 一瞬で気づかれてしかも性別を再確認された ああ黒歴史だ! 「い、いらっしゃい藤山君」 クラスは別だがきーくんと同じクラスの藤山冬真君が 「こんにちは。随分と可愛らしい格好だね。よく似合っているよ」 柔和に微笑んでサラッと歯の浮くようなセリフを言う だが本人は揶揄うつもりもなく澄んだ雰囲気なので嫌に感じない かえって困る 「そう?どうも」 そっけない返事をしてしまう 彼は美少年だからこちらが恥ずかしくなってしまう 君が着た方が絶対似合う 「魔女の宅急便、にしては羽が生えているし。複合型なのかな」 「さ、さぁ」 俺が用意したわけじゃないので そんなことも恥ずかしくて言えない チラッと見るとん?って顔で優しく微笑んでいる ひゃあ 「大丈夫ですか?何かお困りですか?」 サッと俺の正面に照輝くんが立った壁になるように 「えっと、証明写真を撮りにきたんだけど」 生徒手帳を濡らしてしまったせいで写真が必要らしい 「承知しました。では奥の方の右の席でこの紙に名前と各項目にチェックをお願いします。何かわからないことがございましたら、お近くの者にお尋ねください」 スラスラと言葉を紡ぎ接客する 「わかりましたでは、ん?なに夏織?」 冬真君の後ろからはみ出すように現れたのは 夏織くんという少年だ 確か今年入学して、入学式の時照輝くんが引率した子だ もらった写真に写っていたから覚えていた もしかして知り合いなのかな 「こっちは弟。ほらちゃんとご挨拶」 「…うん」 「こんにちは。藤山、夏織…です」 「こんにちは初めまして。お兄さんと同級生の真田馨っていいます」 微笑んだが困ったような顔をされた うぅ 「夏織くんこんにちは」 「!こ、こんにちは」 隠れたままだが笑顔で照輝くんに挨拶した これがカリスマってやつか 「あれ!冬ちゃんじゃん!どうしたのこんなとこで」 「どうしたのって写真撮りたきゃうちに来いって言ったの喜一くんでしょ」 そうだっけと言って笑う そしてきーくんと目があった夏織くんは小動物の如く後ろに消えた 「相変わらず嫌われちまってんなぁ〜何もしてねーのに」 「はは、ごめんよ。まぁ仕方ないよね喜一くんだし」 「どゆことー?」 ケラケラ笑う この二人は結構仲が良いのかな 普段学校ではクラスが離れているしフラッと来てフラッと消えるからよくわからない 「じゃ早速写真撮ってもらおうかな」 「俺が撮ってやるよ!」 「えー大丈夫?」 「大丈夫大丈夫!」 「ははほんとかなー」 どくどくな二人の流れのまま奥へ行った あれ、弟置いてってますけど 「夏織くんは俺と遊ぼうか」 「う、うん」 しゃがんで目を合わせて話す 年下にも優しいから好かれやすいんだな 「みんな今日はありがとうね。おばさんたち助かったわ」 「ぎぶみーおだちん!」 「あんたはほとんど遊んでいたでしょもう」 はははと笑い声が広がる 「帰り道気をつけてね。これ白瀬のおばさんにお願いねテルくん」 「はい!ありがとうございます」 深く一礼する照輝くんにおばさんたちもニコニコとしている 「あのこれ、良かったらどうぞ」 「あら!お菓子!カップケーキ?すごいのね手作りよ!」 「そんなぁ、簡単なやつですよ。良かったら食べてみてください」 「うちのバカ息子たちと違ってできが違うわねほんと。美味しく頂くわ!…カボチャのオバケかしら」 「………コアラです」 「あら、うふふ」 後ろで大笑いしているきーくんには拳骨をした ≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫ 「「ただいま(です)」」 「「お邪魔しまーす!」」 「おかえりなさい皆さん。寒かったでしょ中に入りなさいな」 あのあとみんなで着替えた その時一悶着あり 互いに別の方向を向いて着替えていたのに きーくんが「秘技!スカート捲り」 と言って俺のワンピースを捲った 「うわぁああ!」 外気に触れヒュンとして変な声が出た そのせいで残りの二人も振り向く 別に中にはトランクス履いているから平気なんだけど なんだかとても恥ずかしい 「う〜〜〜む。やはりこのパンツを履くべきなのでは?」 その手には薄いピンクと小さい赤いリボンがついた じょ、女性物の下着が広げられていた 「なんでこんなもの持ってんだよ!」 「え?通販で頼んだらその服と一緒についてきた」 「どこのショップだよレビューで酷評しちゃうぞ!」 「あら初心ねぇ。あげる?」 「いらない!てか子供に悪影響だからそれ!しまって!」 「はいはい。ちょっくらちょっくらほいほい」 変な言葉を口ずさみながら多分適当にタンスに突っ込む それでいいのかお前は 残りの二人を見たが瞬時に目を逸らされた ………何もいうまい すっかり日が暮れて いつのまにか日が沈むのが早くなり 服の厚さが厚くなった そして四人で照輝くんの家に向かった 「お手伝いしますよ」 「そうね。じゃあ取り皿、そこにありますから配ってくださいね」 「はい」 今日はお店の方を貸し切ってハロウィンパーティをすることになっている 花枝さんには快く承諾していただき 本来は俺の家で適当にデリバリーでも頼もうかという話になったけど 照輝くんからその話を聞いた花枝さんが提案してくれたのであった 「お醤油はこちらね」 「はい。あきーくんそれあぶない」 「おっと、これソース?醤油?」 「それはドレッシング。どう見たって違うでしょうに」 みんなでお手伝いをして準備をする あらかじめ買っておいたお菓子と飲み物 そして商店街で適当に食べたいものを買ってきた 花枝さんが何品か料理を作ってくれてさらに豪華になった お刺身が乗った大皿が豪華だった 「それじゃあみなさん、乾杯!」 「「「「乾杯!」」」」 東兄弟以外はお茶だが乾杯した 二人はジュースだ 「兄ちゃんそれ俺の唐揚げ!」 「名前書いてないぞーうまうま」 「うぅ。ッモグ!」 「あっ!それ俺の肉団子!」 「もぐもぐ」 「ふふふ賑やかでいいわね」 「…騒がしくてすみません」 「いいのよ。子供がいたら当たり前なの。いっぱい騒いでちょうだい」 そう言って朗らかに笑って湯呑みのお茶を飲んだ 俺は曖昧に笑ってその場を誤魔化す この二人はそれですめばいいのだが いざとなったら俺の拳が火を吹くぜ 「これどうぞ」 「あ、ありがとう。じゃあこれ食べな」 「ありがとう」 照輝くんが横から静かにメンチカツコロッケをくれたので 俺はローストビーフを上げた てかみんな肉ばっかりだな カウンターにある冬瓜と鶏肉の煮物を食べる しっかりと味が染み込んでいて箸で裂けるぐらい柔らかくて美味しかった カボチャの天ぷらもほくほくとしていて美味しい 「しかし今日客多かったよなぁ」 「そうだね。意外とみんなイベント撮影好きなんだ」 「いつもは写真の現像だとかカメラ修理だとか細々とした品物買ってったりぐらいなんだけどなー」 春巻きをパリパリと食べながらきーくんは言った 赤魚の煮魚があり普段作らないから気になって食べたがとても美味しかった 甘いつゆに魚の旨味と生姜が後から香る ほろりとした脂の乗った柔らかな身でご飯が進む 「あ、これ花枝さんこれよかったら」 「あらお菓子?可愛らしいわね。ケーキかしら」 「カボチャのカップケーキです」 「食べやすいし可愛いらしくていいわね。馨さんは本当にお料理が上手」 「そ、そんなことないですよ」 某レシピサイトのレシピ通りに順番にやればだれでもできるとおもうんだけど 「飾り付けも頑張ったのね。シカ?トナカイかしら」 「…………リスです」 「あらま」 「ぶはっ」 きーくんが噴き出して倒れた そのまま倒れてろ そのまま飲み食いして時間が経った 花枝さんはお風呂入ってしまい お子様たちが騒がしい 主に二人 「これは俺の!」 「違うもん俺の!」 ゲーム機で遊びアイテムを奪いあっているらしい 「ほらよそ様のお宅なんだから静かに遊びなよ」 「はーい母ちゃん」 「誰が母ちゃんだ」 「俺は兄ちゃんがいい」 「俺?」 「違う。馨兄ちゃんが兄ちゃんだといい」 「しかたねぇな。かおるっち養子縁組するか俺が兄貴なー」 「嫌だね絶対」 守はまだいいがきーくんとなんて胃に穴が開きそうだ 二人がなんかコソコソとやり始めた お次はなんですか? 照輝くんは急須でお茶を淹れてくれたようだ ありがとうと言うと柔らかく笑いいえいえと言った 大人がここにいる 「「トリックオアトリート!!」」 「うっさ!」 二人が迫ってそう言った 「ああ、はいはい」 「そこは面白くか可愛く返せよなぁ」 「ご期待に添えなくてすみませんね」 「ほんとですわ」 「ならそれは没収ですわね」 「おほほ冗談ざますよ」 どこのスネちゃまの母親だ 「わーい!馨兄ちゃんありがとう!食べていいか?」 「いいけど明日にしたら?」 「今食べたいな」 「じゃあいいよ」 「やった!」 弟はこんなにも素直なのにな 「キリン?」 「虎です」 「ぶふっ」 笑ったきーくんを瞬時に睨みつける 「俺のは………山部?」 「なんで体育の先生なんだよ!!一番ひどい間違いだ」 くそぉ俺に美術の才能があれば…… 「僕は好きですよ。動物かわいいですよね」 「照輝くん…」 君が一番最初に間違えたんだけどね 「どうせならトリックオアトリートって言われてかおるっちが「あっ、お菓子持ってないあたしってほんとバカ!もう仕方ないわね!悪戯していいわよ!フン!」手な感じでも良かったな」 誰だよそいつ 「アホか」 「知らなかった?」 「知ってた。プラスバカも追加しておいてね」 「うぃ」 ノリが軽い男東喜一である 「あの二人も笑えたなぁ」 「ん?」 「藤山兄弟」 「…」 同じようにせっかくだからカップケーキを手渡した 「いいの?嬉しいなぁ甘いもの好きなんだよね」 「それは良かったよ」 「うちの弟にもくれるなんて申し訳ないなぁ。本当にありがとう。大切に食べるよ」 「そんな、気軽に食べてよ」 会話するたびになんだか口説かれているような気分で気まずい 勘違いなのはわかっているけどさ これが美少年の力か 「夏織、お礼いいなさい」 「うん、……お兄さんありがとう、ございます」 「うん。良かったら食べてね」 微笑んだがまた困惑された 難しい 「ほら夏織、夏織のは猫さんだよ」 「お兄ちゃんのは、犬さん?」 「……………」 「ん?」 「ごめん、逆なんだ」 「あ、ごめん。素敵な絵だね。本当にありがとう。また学校でね。喜一くんもまたね」 「えぐっ、ぶはひっひひ、ま、またなぁー」 今日は俺にとって辛い出来事ばかりだ 「あれは、仕方ないだろ」 「なんで絵だけ絶望的なんだろうなぁ」 「知らないよそんなの」 「さすがゲルニカ先生」 「やめい」 「昔なんかで紙粘土でなんか作りましょうってやつでかおるっち、すげーの生み出してたよな」 「……ただの自分の顔だよ」 「なんで角はやしてんだよあははは」 「もういいだろその話は!」 いちいち昔のことを掘り返さないでほしい… チラリと視界に映った照輝くんは静かに こちらを窺いながらも黙々と小皿に分けた和物を食べている どうしたんだろう 「照輝くん大丈夫?」 「大丈夫です」 「そう?それ何食べてるの?」 「唐揚げです」 「それマロングラッセだよ」 商店街で珍しく売っていたマロングラッセをおかずに照輝くんは白米を食べていた 甘党なら……いけるのか? 心配だが本人がそう言っているなら今は様子を見ておこう 「もーーらい!」 「甘い」 「ぬわぁ!」 きーくんが俺の小皿に入っている野菜の牛肉巻きを奪おうとしたのでかわし、逆にきーくんが確保したロースカツ二切れを守と照輝くんの小皿に乗せた 「あ、あくまぁ!」 「だまらっしゃい」 この面子での初めてのハロウィンパーティーは騒がしくて 賑やかに時間が過ぎていった 「「「お邪魔しました!!」」」 「はい、またいらしてね」 手を振りながら僕たちは帰路に着いた 兄弟は暗い夜道を騒ぎながら帰っていった さて帰ろう 帰ったら今回出した調理器具しまわないとな 残った材料どうしよう クッキーとかつくればいいか カボチャの残りは煮物にでもしてみよう 貰った冬瓜ってどうすればいいんだろ 後で調べようか 明かりのついていない自分の家をみる さぁて 帰ろうか 「おっと」 歩き出したら後ろに引っ張られた 変な姿勢のまま俺は振り返る 見ると一瞬驚いた顔で丸い目をして、それから慌てたように視線を逸らされた それでも掴んでいる手は離されなかった ……… 「少し、散歩でもする?」 その言葉に反応して素早くこちらを見つめ つい反射のように頷く照輝くんを見て笑ってしまう それを見て恥ずかしそうにしながらも 嬉しそうで俺は誘って良かったなと感じた 時刻は八時半 もうすっかり暗くて電灯に照らされた道を二人で歩く 冷えるので照輝くんは自室から持ってきた青いダウンジャケットを羽織っている 俺はオレンジのモッズコートを羽織っていた ふぅとはいた息が僅かに白くなる ただ静かに手を繋いで夜道を歩く 辺りには誰もいなくて 遠くから車の走る音がした その歩いていると公園に着く あの春に出会った公園だ ベンチは今日も変わりがなくただ無言で暗い電灯に照らされていた 「ここに座って待っててね。すぐ戻ってくるから」 こくんと頷いたのを見て走り出す 近くにある自動販売機から温かい飲み物を買う 迷ってココアと無糖のホットレモンティーにした 甘いものが多い中無糖はありがたい 照輝くんは甘すぎるものが苦手みたいだし 好きな方を選んでもらおう ガシャンと言う音と共に二本のドリンクが落ちる 受け取り口に手を突っ込み取り出すが 冷えた手では温度差で熱く感じられ耐えながら持つ そして急いでポケットに入れた 来た道を戻る 暗い公園は静かで 少ない遊具が寂しげに見えた ベンチでは大人しく膝に拳を置いて待っている 照輝くんがいて 当たり前なのにほっとして 胸がじんわりとした そこだけが温もりを感じられた そして俺を見つけて 僅かに寒さで赤くなった頬の顔のまま 嬉しそうに笑ってくれた それがあんまりにも優しくて 泣き出しそうになるのを我慢して近づきポケットから二本の飲み物を取り出す 「お待たせ!買ってきたけどどっちがいい?」 「…ありがとうございます。馨くんが好きな方で」 「照輝くんのために買ってきたから好きに選んでほしいな」 「なら、ココアにします」 「はい、どうぞ」 熱いよと言って手渡す あお金…と言われたが笑みを浮かべて流す 納得はしてないようだが抑えてくれたようだ 「美味しいです」 「そう、よかった」 静かに熱い飲み物を二人で飲む 口の中から熱い息がでて空気と混じり合い白い息がでた 照輝くんも同じように白い息で ちょっとだけ面白かった 「寒くなったねぇ」 「…はい」 そこからポツリポツリと会話する 居心地はよかった そして本題に触れる 「疲れちゃった?今日」 ピクンとしたが口が動いた 「いえ、大丈夫です」 「そう。なんだか元気がないように見えたからさ。なんか気になることあった?」 「…無いです」 「嫌なことは?きーくんがうざかったとか?」 「それは、まぁ…。でも嫌ではなかったです。楽しかったです。でもやっぱり苦手です」 「ふはは、だよね。俺からも叱っとくよ」 「いえ大丈夫です。自分でなんとかしますから」 なぜかこの件については語気が強かった 「それじゃあなんで元気なかったの」 「それは…」 「話せないこと?」 「そ、そういうわけじゃ、ありませんけど」 隣でモジモジとしている照輝くん こんな時は子供らしいしぐさだ つい意地悪をしたくなる 「照輝君が気になっちゃって俺も元気でないなー」 安っぽい挑発だ でも優しいこの子ならきっと 「え!僕が気になって、元気が出なくなるですか?」 「うんもちろんだよ。照輝くんが元気だと嬉しくて元気になるし、悲しかったり辛そうだと俺だって同じ気持ちになる」 呆けたように俺を見る 僅かにココアの甘い香りがした 「……」 「だから、無理にとは言わないけど、話せることだったら教えてね。照輝君が以前、ここでそうしてくれたようにね」 何がとは言わない ただ黙って微笑む それを見て顔を赤くした後 意を決したのか目線を逸らし口を動かした 「……だ………です」 「ん?」 「ですから」 少し怒ったようなぶっきらぼうな、見たことのない顔だった 「寂しかったんですよ」 寂しかったのか…… そこ言葉がつい嬉しくてにやけてしまう それを見て照輝くんは複雑な顔をして 頬を膨らませた 「ごめんごめん。バカにしたとかじゃ無いんだ」 「…はい。馨くんはそんなことしません」 信用してくれているんだな いちいち嬉しい気持ちにしてくれる 「僕より…あの人は馨くんを知っていて、仲が良さそうで、いつもそんな顔しないのに、楽しそうで、僕」 次第に小さくなる声 それは本音で この子の心の声だと思った まさか、嫉妬? 嫉妬するくらい好いてくれたんだ また嬉しくそれ以上になんだかドキドキして 顔が熱くなる 「馨くん?」 「ん!なんでも無いよ」 下手な誤魔化し方をした 「俺もね」 「はい」 「寂しかった」 えっ?と言う顔 「…うちにいる時、寝る前とか、お菓子作ってオーブンの中を確認してさ。そしてふと思うんだ」 「なにをですか?……」 「照輝くん何してるかなって」 照れ臭いが本心を言う 照輝くんの瞳が輝いた気がした 「ご飯食べたかなって、お風呂はもう入ったかな、もう部屋にいるのかなとか」 恥ずかしい けど、言わなければ伝わらない 当たり前だけど 人は悲しいけど 当たり前なことほど薄れていく 月を見ながらそう想う 「あいたいなって」 そう口に出した時 ぎゅっと抱きしめられた 照輝くんの香りと温もりが伝わってくる 「ははっ、あったかいね」 「………はい、あったかいです」 背中に腕を回しポンポンと叩く 生き物の温もりだ 泣いてしまいそうだ 寒さがより 心を苛む だから小さな温もりを分かち合って 人間はそばで寄り添うんだな そのまま互いを感じ合う 鼓動が 呼吸が 香りが この子の存在を感じることで 夜の海のような世界から 確かなものを感じられた 「照輝くん」 「…はい」 少し体を離し 目を見つめる まん丸で誰よりも綺麗な瞳 に近づく ッ! 照輝くんは声も発せずビクンッと震えた ごめんね 耳元でゆっくりと告げる 「トリックオアトリート」 「はへっ?」 毛が逆立って耳まで赤くしている照輝くん 「ほら、お菓子くれなきゃ悪戯するぞ!」 手をわしわしとする ポカンとした顔のままポケットに手を突っ込みながらお菓子を探すもあるわけがない 眉を八の字にしながら見つめてくる 「無いです。ごめんなさい」 「ふふふ謝らないでよ。じゃあ、悪戯しちゃおーかなー」 「い、いたずら、ですか。悪戯……」 顔を赤くしたり青くしたり忙しないなぁ そして何かを決めたのかこちらをまっすぐ見つめていった 「いたずら、していいですよ。好きにしてくださいッ」 ベンチの上で靴を脱いで正座して 両手を広げている ウェルカムだと!? まるでいたいけな子にいけないことをしているような場面じゃ無いか!? あれそうかも? 動揺しながらも俺は頭を撫でてから ぎゅっと抱きついた 「あわわわっ!」 「ふふ、ふはは!」 慌てる照輝くんと笑う俺 変な構図だった それでも楽しかった しっかりと照輝くんは抱き返してくれて 綺麗な笑顔を浮かべてくれた 「あ」 「?」 持ってきていたカバンからあるものを取り出す 「これ、食べる?」 取り出したのはプリンだ 本当は家の前で渡すつもりだった あいつらの前で出したら奪われるし 失敗して最後に二つだけうまくいった その一つがこれだ 「プリンですか。食べたいです!」 にこやかに笑い俺から受け取って プラスチックのスプーンを渡す ラップで封をされていたプリンを一口掬い いただきますと言って食べた 「美味しいです!カボチャプリンですか?」 「うん。難しくて失敗ばかりだったけど、美味しかったならよかったよ」 パクパクと食べてくれる こんなに喜んでもらえるなら作ってよかった 「どうぞ…」 「あ、うん。パクッ」 口の中にプリンの味とキャラメルソースそして柔らかな優しいカボチャの風味に我ながらうまくできたと思う なぜかスプーンを見つめている照輝くんにお腹いっぱいかと尋ねたがいえ!いっぱい減ってますと言ってパクパクと食べた 「ほらむせちゃうよ。お茶どうぞ」 「……。ありがとうございます」 レモンティーをおずおずと飲む なぜそんなにキョドキョドしているんだ 秋の夜は静かで 風が冷たかったけど 透き通った空気の中で月の光がよく見えて綺麗で 寒かったからこそ隣にある温もりがとても感じられて 幸せを感じられた 「また、しようねハロウィン」 「はい!」 見つめあって笑う 暫し夜を堪能して 帰り道を互いの温もりを感じながら歩き 俺たちははじめてのはろうぃんぱーりぃを 終えたのだった ≫≫END≫≫
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