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4.それらは彼女の視点であって
隣に人がいるなんて知らなかった。
どうして、今まで声をかけなかったのだろう。
――そうすれば、この家から出られたのかもしれない。
あのとき、ハンカチが彼女と出会わせてくれた。
出会っただけだ。それ以上のことは、できない。
――私はこの部屋から出ることを許されていないのだから。
窓越しに目が合った。
どのように声をかければよかったのだろう。それがわからなかったことが、最期の後悔だった。
――すぐに私は、服を濡らしたことを母親に叱られた。
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