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１、転入生
「は、はじめまして！ラキ・オクトノエムです！」
陽光がその日差しを強める春の終わり頃、
少年は平々凡々な毎日から飛び出すために第一歩を踏み出した。
精霊都市.フェアリーテラス----
碁盤の目のように区画化された市街に並ぶバロック様式の建造物が特徴的な大都市である。
この街の中心にそびえ立つ巨大な学園・ライゼンデニアは
大陸唯一の聖魔術師養成専門学園である。
世界最大の大陸、"マーギニア"には精霊が存在する。
そこで暮らす人々は古くから精霊に力を借り、共存してきた。
やがて人間が文明を発展させると、精霊を使役する能力の高い者を"魔術師"と呼び、重用し始めた。
彼らの能力は国を創建し、維持するのには欠かせない能力であり、やがて"魔術師"たちの中からより優れた者を皇帝直属の"聖魔術師"とした。
"聖魔術師"の称号は精霊を使役する者たちにとっては大変な名誉であり、一代につき5人しか配属されないことから、狭き門として魔術師たちはこぞってその座を競いあう。
そのため魔術師の素質を見込まれた子供は小さな頃からライゼンデニアに通い、聖魔術師になるために能力に磨きをかけるのである。
そんな学園に本日、転入生がやってきた---
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