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テレビのオリンピックの開会式の模様は、各国の出場選手達の入場行進が映し出されていた。
日本のテレビゲームの曲に合わせて、マスク姿の選手達がソーシャルディタンスをとって次々と新国立競技場のトラックを歩いていた。
「JAPAN！」
「日本選手がやって来ました！！」
この日本代表選手の入場行進の中に、晋二の姿は無かった。
しかし、俺には陸上に出場する胸を張って歩いている晋二の姿が見えていた。
「晋二・・・」
今、東京では4000人もの新型ウイルスの感染者が増えていた。
新型ウイルスは感染力の高い変異種に置き換わってたからだ。
テレビはオリンピックの話題で相殺されたが、病院では新型ウイルスの重症者で溢れて医療崩壊しているとネットのニュースで俺は知っていた。
「もし・・・この国がオリンピック開催に現抜かしてなかったら・・・
晋二は検査を受けられて、入院出来て無事にあの入場行進の中に居たのに・・・！！
あいつは病院をたらい回しにされた挙げ句、自宅療養を言い渡されて新型ウイルスが悪化して死んだんだ！！
何で東京でオリンピックを開催しようとした！！
各国の選手から更に各国変異種が・・・
そして第２第3の晋二のような犠牲が・・・
何故東京オリンピックを開催した！！
奴らは命よりオリンピックか！！
ちくしょう！！ちくしょう！！ちくしょう！！ちくしょう！！」
俺は、悔し涙ながらにこう叫んでテレビを消した。
～悲しきオリンピアロード～
～fin ～
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