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そんなある日、突然、行方不明だったお母さんの居所の知らせが来た。警察からだった。道端で倒れていたらしい。脳梗塞でたまたま通りかかった人に助けられて、救急車で運ばれ病院に入院し一命をとりとめたらしい。
つまり警察は、私に母親を引き取って欲しいというのだ。どこまでも悪運が強い女なんだろうと思った。私は、母親の世話をするということで、生活保護を受けながらお母さんを介護することになった。
お母さんの世話は大変だが、生活保護により暮らしていけることは有難かった。もう私に暴力を振るうこともできないお母さんを見下しながら生活をするのは、今まで受けて来た仕打ちを返すには十分だった。
「誰のおかげで生きて行けると思ってんの?」
その言葉に反論できないお母さんの顔は最高だった。
でも、私の心の隙間は埋められなかった。
私にはミワが必要。
そんなある日、ミワが帰って来た。
私の目の前に、ミワが現れたのだ。
ミワ、もう離さないよ。ずっと友達だって、言ったよね?
私はミワを隠した。
ミワと幼い頃に遊んだあの秘密基地はまだ健在だった。
山の小さな潰れたラブホテル。
変な形のお風呂とか大きなベッドがそのままにされていた。
大きなお風呂にミワの小さな体はすっぽりと余裕で横たえることができた。
ずっと、ずっと一緒だね。ミワ。
私、毎日来るから。ずっと待ってるんだよ。ミワ。
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