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驚いて振り向くと、あの女の子が立っていた。今日も写真をプリントしたTシャツを着ていた。ロバート・キャパだろうか。
「こんばんは」
女の子がぺこりと頭を下げ、小さく笑った。
「……こんばんは」
本当に魔法をかけられたようだった。
「あの、」
ぼくは誤魔化すように、ビニール袋から缶ビールを取り出し、女の子に差し出した。
「この間、聴かせてくれたお礼に」
ぼくは少し動転しながら、適当な事を言った。それでも彼女は頷いて、また笑顔を見せて受け取ってくれた。
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