来夢来人 ーライムライトー

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くそ…!また2()だ…! ぼくは中間(ちゅうかん)テストの総合(そうごう)順位(じゅんい)()(くや)しさで(かお)(ゆが)んだ。 ぼくの学年(がくねん)には、どんなに努力(どりょく)しても()てないやつがいた。 北大路(きたおおじ)来夢(くるむ)彼女(かのじょ)はどんなテストでも(かなら)満点(まんてん)()る。 いつ、いかなる(とき)も、(かなら)ずだ。 しかも彼女(かのじょ)(じゅく)講習(こうしゅう)()ているのは()たことがない。それでも(かなら)ずテストで満点(まんてん)()る。  自慢(じまん)じゃないが、ぼくは(しゅう)6(かい)(じゅく)()ってるし家庭(かてい)教師(きょうし)もいる。()(かえ)りのバスで勉強(べんきょう)なんて()たり(まえ)だし()るときは睡眠(すいみん)学習(がくしゅう)だってしている。 納得(なっとく)いかなかった。 なんであんな(なに)努力(どりょく)しないやつが学年(がくねん)1()なのか。 ぼくはそいつの(かお)()らないのに、無性(むしょう)(はら)がたった。 (ほか)成績(せいせき)がいいヤツらもぼくと(おな)じの理由(りゆう)納得(なっとく)していないやつが何人(なんにん)かいた。 『きっと先生(せんせい)にヒイキされてるんだよ』 『めちゃくちゃ(こわ)家庭(かてい)教師(きょうし)がいるんだって』 『来夢(くるむ)ちゃんはお金持(かねも)ちだから、テストの答案(とうあん)用紙(ようし)()ってるんじゃない?(笑)』 ()()もない(うわさ)(うわさ)()び、(うわさ)北大路(きたおおじ)来夢(くるむ)という人間(にんげん)神格化(しんかくか)させた。 ほとんどの学生(がくせい)彼女(かのじょ)(かた)りかけることすら出来(でき)ず、いつの()にか生徒(せいと)たちの畏敬(いけい)対象(たいしょう)となっていた。 畏敬(いけい)にして、孤高(ここう)。 ぼくは北大路(きたおおじ)来夢(くるむ)がどんな人間(にんげん)なのか、(すこ)()になった。
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