ink.

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 仕事終わり、帰路についていた佐藤。駅へ向かう途中にある飲み屋街に目を向ける。  確かあの刺青の男と会ったらしいバーは、この飲み屋街にあったよな。と思いながら。  あれから一週間経っていた。  名前も何者かも知らない、知っているのは鮮やかな刺青。  佐藤はそんな事を考えながら、飲み屋街に歩き出す。  会えたとして、どうするのかも考えていないが、ただ佐藤はまたあの刺青を眺めたいと思った。  歩きながら店を探すが記憶が朧気で、見つけられずに途方に暮れていた。もう帰ろうかと考えていると、目の前の路地から青いゴミ箱が勢いよく飛び出した。  驚いた佐藤は立ち止まる。路地から怒号のような声が聞こえたと思ったら、路地から派手な柄のシャツを着た男が飛び出して来た。その左腕には、鮮やかな龍が泳いでいる。  「あっ!」  「あっ?」  咄嗟に声を上げた佐藤。  その声に気付き、目を向ける男。金髪と大きな耳たぶが揺れる。  「本当にいた・・・」  「あれっ?お姉さんまた会ったね!」
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