5人が本棚に入れています
本棚に追加
仕事終わり、帰路についていた佐藤。駅へ向かう途中にある飲み屋街に目を向ける。
確かあの刺青の男と会ったらしいバーは、この飲み屋街にあったよな。と思いながら。
あれから一週間経っていた。
名前も何者かも知らない、知っているのは鮮やかな刺青。
佐藤はそんな事を考えながら、飲み屋街に歩き出す。
会えたとして、どうするのかも考えていないが、ただ佐藤はまたあの刺青を眺めたいと思った。
歩きながら店を探すが記憶が朧気で、見つけられずに途方に暮れていた。もう帰ろうかと考えていると、目の前の路地から青いゴミ箱が勢いよく飛び出した。
驚いた佐藤は立ち止まる。路地から怒号のような声が聞こえたと思ったら、路地から派手な柄のシャツを着た男が飛び出して来た。その左腕には、鮮やかな龍が泳いでいる。
「あっ!」
「あっ?」
咄嗟に声を上げた佐藤。
その声に気付き、目を向ける男。金髪と大きな耳たぶが揺れる。
「本当にいた・・・」
「あれっ?お姉さんまた会ったね!」
最初のコメントを投稿しよう!