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ホワイトムスクというお香らしい。
佐藤は男に教えて貰った香りを嗅ぎながら、床に正座している。
「まさかまた会うとはねー。また飲みに来てたの?」
「あー、いや、うん、まぁ・・・」
「え、何?まさか俺に会いに来たとかだったりして?」
佐藤は言葉に詰まる。男は振り返る。
「え?マジで?」
「いや!違う!いや・・・半分そう」
「どっちなの?笑」
男はケラケラ笑う。
良く笑う人だなと佐藤は思った。
「んで?結局どっちなの?」
男は冷蔵庫から缶ビールを取り出し、佐藤に手渡す。
「あなたにというか・・・あなたの、龍に・・・」
気まずそうに呟く。自分でも意味がわからないと分かっているからか、佐藤は目を逸らす。
男は目を見開いてキョトンとしている。
その3秒後、男は大笑いした。
「あっはっはっはっ!!何それ!?俺じゃなくて俺の刺青!?あっはっはっはっ!!何それマジでー!?」
弾けるように手を叩きながら笑い転げている。
佐藤もどんどん恥ずかしくなってきた。
「あっはっはっはっ・・・あー腹痛ぇ。お姉さん変わってんなー」
「自分でも気持ち悪い事言ってる自覚はあります・・・」
「んーいやいや。いいよ。好きなだけ見なよ」
そう言うと男は羽織っていたシャツとタンクトップを脱ぎ捨てる。佐藤はゆっくり近付く。
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