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「ねえ、ハレ?」
「なあに?」
ハレは見ていた空から視線をさげてモモを見ました。
「こういうのはどうかな? わたしがピンクを選ぶのよ。だってハレはピンク色を見るのが好きなんでしょ? いつもハレと一緒にいるわたしがピンクを選べば、ハレはいつでもピンク色のわたしの羽を見ることができるわ!」
いい考えでしょ、とモモは嬉しそうに笑います。しかしハレの顔はくもったまま。
「そんな事をしたらモモが好きな空色を選べないじゃないか。だからダメだよ」
「違うわ。わたしが好きな空色はハレが選ぶのよ」
「ボクが?」
「そうよ。わたしはハレが好きなピンク色を選ぶ。そしてハレはわたしが好きな空色を選ぶの!」
「ボクが空色で、モモがピンク色? モモはそれでいいの?」
「ええ、もちろん! ハレがずっと一緒にいてくれたら、わたしは好きな空色のハレをずっと見ていられるじゃない?」
「モモ……」
ハレの目から嬉しい涙がこぼれます。
「ありがとうモモ」
「いいのよ、ハレ。だってハレっていう名前は『晴れた空』の意味でしょ? きっとハレには晴れた空の色がとてもよく似合うはずだわ!」
モモがにこりと笑います。
「それなら、モモは『桃色』って意味になるね!」
ハレがにかっと笑います。
二人のそばにママがやって来ました。
「どうやら決まったようね」
「うん、決まったよ」
「さあ教えてくれるかしら?」
「ボクはね、モモが好きな空色に」
「わたしはね、ハレが好きなピンク色に」
そしてハレとモモは声を揃えて言いました。
――空の向こうまでずっと一緒なんだよ!
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