2 双子は小学4年生

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 意識を集中し、怜音の顔を思い浮かべる。  頭の中でイメージした怜音に呼びかけた。 『怜音、怜音。応答せよ』  すると、おれの呼びかけに応える声が、頭に直接ひびいた。  テレパシーがつながる。 『こちら怜音。志音、お前のクラス、うるせーよ』 『ごめんごめん。合同体育の時間にドッチボールが中止になったからさー、みんな大ブーイング』 『志音のクラスは、いつもさわがしいよな』 『元気いっぱいって言ってくれ。ってかさ、合同体育は怜音のクラスと一緒なんだから、そっちはブーイングが起こらなかったのかよ?』 『お前のクラスほどじゃねーよ』 『あったんじゃん。だからさ、アレやろーよ!』 『アレ?』 『アレだよ、アレ!』 『あー、アレか! 今日のために用意したようなもんだしな。やろうぜ』 『おれ、先生に言うよ!』 『こっちも言っとくな』  双子って、以心伝心だよなー。  考えてることはすぐに伝わるんだから。  すぐに集中を切って、さわがしいままの教室にむかって手を上げた。 「はい、はいはいはいはい、はーいっ!」 「ど、どうしたの。神木さん」  みんなが急に静かになって、おれに注目した。 「広瀬先生! 五時間目はおれたち双子にまかせてよ!」 「えっ、神木さんたちに!?」  広瀬先生は目をまん丸くした。 「先生、悪いようにはしないから! ぜったい面白くなると思う!」  おれはニカっと笑って、自信満々に答えた。
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