2 双子は小学4年生

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「どうぞー。一人一つずつとってくださーい」  五時間目の合同体育が、運動場で始まった。  体操服を着た、一組と二組のクラスのみんなが、おれと怜音の前に並んでいる。  おれはみんなに声をかけながら、スポーツゴーグルを配っていた。  一見、普通のスポーツゴーグルなんだけど、ちょちょいといじっているんだ。  おれのとなりにいる怜音は、タブレットを操作して、準備を整えていた。 「神木さんたち、一体これから何をするの?」  広瀬先生が不思議そうに、怜音のタブレットをのぞきこんだ。 「広瀬先生、これからするのは、パソコンクラブで作ったVRドッチボールです」 「え、パソコンクラブで!? VRを開発!?」  冷静に話す怜音とは対照的に、広瀬先生はびっくりして、おおげさなジャスチャーをした。 「い、いつの間にそんなの作ってたの? 先生、パソコンクラブの担当なのに、そんなの知らなかった」 「先生、基本パソコンに興味ないもんね」 「だって、パソコンなんてよくわかってないのに、若手ってだけで決められちゃったんだから」 「小学生にグチんなよ、先生」  おれのツッコミに、神木さんだからグチれるの、と言ってきた。  まあ、それもそのはずで。
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