2 双子は小学4年生

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 おれたち双子は、学校のクラブ活動でパソコンクラブに入っている。  クラブの担当の先生は広瀬先生。  だけど、実際クラブ活動を進めているのは、デジタルが得意なおれたち双子だ。  キッズエージェントはデジタル技術が必要なんだよー、と五朗のおじさんに言われ、日々トレーニングを積んでいる。  VRドッチボールは、怪盗ノットとしてドッチボールを盗んでしまうから、先に作っておいたんだ。  五朗のおじさんにチェックをしてもらいながら作ったけど……。  おじさん、けっこうスパルタなんだよなー。  歯を食いしばって作ったので、かなりの自信作だ。 「志音、設定終わった」 「怜音、ありがと」  顔を見合わせると、ニッと笑った。  さーてと、みんなを驚かせますか!  きっと大興奮して、大盛り上がりだ。  おれは息をすーっと目一杯吸い込んだ。 「みなさーん、ゴーグルにあるスイッチを押してくださーい!」  大声で叫ぶと、みんなが一斉にスイッチを押した。 「うわあ! ドッチのコートが出てきた!」  映像が見えたらしい誰かが叫んだ。 「すげー!」 「なにこれー!?」 「どうなってんだ!?」  ふふん、みんな驚いてる、驚いてる。  このゴーグルはスポーツ用品店に売っている普通のスポーツゴーグル。  それにシステムをちょちょいと組み込むことで、VR用のゴーグルに作り変えたんだ。
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