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今度は一組から放たれたボールが、うちのクラスメイトに当たる。
すると、今度は『OUT!』の文字が現れる。
音楽と映像が、場の雰囲気を最高に盛り上げる。
「いっけーっ」
「やった!」
「くそぉ!」
みんなが声を出し、のめりこむようにドッチボールに集中した。
みんなが慣れてくると、ボールのラリーが続いた。
その時、
「あっ」
青い顔をした体の小さな高野に、ビュン、と勢いよくボールが飛んだ。
あっ、アイツ、ドッチボールが苦手なんだった。
おれはすぐに高野の前に躍り出た。
球威のあるボールが、おれに牙をむく。
おれはニヤリとした。
ドンッ、と鈍い音がした。
でも、大丈夫。
体全体で包み込むように受けたボールは、すっぽりとおれにキャッチされていた。
「か、神木くん!」
「高野、大丈夫か!?」
振り向けば、高野がほっとした表情をしていた。
「う、うん。ありがとう! さすが運動神経バツグンの神木くんだね」
「いやー、まーそれほどでも~」
「高野! 男ならボールくらい、しっかり受け止めろよ!」
少し離れたところにいた手島が、ドッチが苦手な高野を責めた。
「ご、ごめ……」
「手島っ、仲間責めてる場合かよ。一組撃破だぞ!」
「神木に言われなくたって!」
おれは手島に負けないくらい声を張り、意識を一組に集中させる。
「志音! オレら、そうカンタンにやられねーけど」
一組のコートにいる怜音が、口角を上げて煽ってくる。
おれたち二組は負けないぞ!
「みんな、司令塔の怜音をまず狙え!」
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