2 双子は小学4年生

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 当然、反省の色なんてナシ。  おれも席に着くけど、胸のざわざわが取れないでいた。 「はいっ、みなさん聞いてください。来週、算数の再テストをします!」 「またー? なんでーっ!?」  クラスのみんなが目を丸くした。 「だって二組さん、平均点が低かったのよ。学年最下位、悔しいでしょ。元気な二組さんなら、やればできます! がんばりましょう!」 「ええっ、うそーーっ!?」  みんなのブーイングをよそに、広瀬先生がウザイくらい元気に宣言した。  いつもだったら、おれも一緒に騒ぐんだけど、そんな気持ちになれない。  ムスっと顔をしかめていたら、隣の席からつんつんとつつかれた。 「あの、神木くん。お願いがあるんだけど……」 「なんだよ?」  横を向くと、高野がこちらをじっと見ていた。 「……ぼく、手島くんを見返したい。どうしたらいいかな?」  小声でささやかれた高野からのお願いに、おれは目を見開いた。  だって、優しいヤツだけど気弱なところがある高野から、そんなお願いごとをされると思わないじゃん!  おれは思わずニヤリとした。 「いいよ。見返してやろうよ。男ならやってやれだ!」
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