3 キッズエージェントはラクじゃない

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 五朗のおじさんが作ってくれるご飯って、おいしいんだよな~。  ジューシーでカリカリな鶏のから揚げとか、さくさくトンカツのふわふわ玉子のカツ丼。  キノコとひき肉のミートソースパスタに、アツアツのクリームドリア。 思い出しただけで、よだれが出ちゃうな。 「志音、よだれ」  マジで出てしまった。  うっかり、うっかり。  十数分後、怜音にチェックを入れられつつ、宿題を終わることができた。 「おじさん、終わった!」 「ん。じゃあ、バルコニーに来て。モノがモノだから外でしようか」  五朗のおじさんが、リビングダイニングルームから続く、ルーフバルコニーへ向かった。  おれたちも続き、外へ出た。  でっかいルーフバルコニーからは、キレイな夕日と街並みが見えた。  ここは高級マンションにある、五朗のおじさんの家だ。  今、おれたち双子はここに住んでいる。  最上階にあり、ワンフロア全部が五朗のおじさんの家なんだ。  驚くだろ?  このマンションは、エントランスでカードキーをかざせば、自宅直通のエレベーターに乗れる。  そして、誰がこの家に来るのか、わかるようになっている。  家に入れば大理石の廊下があったり、一つ一つの部屋がめちゃくちゃ広かったりする。  特にリビングダイニングルームが広い。  ソファセットやダイニングテーブルがあるだけじゃない。  十分に広いから、トレーニングマシンが数台置いてある。  ここでおれたちもトレーニングをするんだ。  おれたちは母さんと離れてから、五朗のおじさんの家に住み始めた。  だけど、最初はびっくりして、落ち着かなかったもんなー。 「始めようか。はい、コレ出して」
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