3 キッズエージェントはラクじゃない

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「いつも思うけど、こんなマイクロチップで子どもが『ロボット』になるのかな?」 「なるんだなーコレが。ロボチップで『ロボット』にされた子どもは、カンタンにコントロールできる。言うことを聞く、カワイイお人形の完成だ」 「お人形って……おれたち子どもは大人のモノじゃないのに」 「大人より子どもの方がコントロールしやすいからね。だから、子どもが狙われる」 「子どもを狙っているから、おれたちにとって身近なものに、ロボチップがくっついているんだな」 「そう。ロボチップがついているものを使い続けると『ロボット』になる。だから、身近なものにつけてるんだ」  こんな小さなものが、おれたち子どもをロボットにするのか。  ホント、ぞっとするよ。 「コントロールするってことは、オレら子どもの未来を勝手に大人の誰かが決める、ってことだろ?」 「そう。怜音の言う通り、それが世界管理機構EDEN(せかいかんりきこうエデン)の目的だよ」 「ひでーな」 「子どもたちの将来をつぶそうとするなんて、ホント悪趣味。俺たち国際共創組織CREO(こくさいきょうそうそしきクレオ)の敵だね」  五朗のおじさんは吐き捨てるように言った。 「ま、おれたちキッズエージェントが阻止するけどね!」 「だな」  おれが元気よく宣言すれば、怜音が肩をぽんとたたいて同意した。  おれたち双子は、国際共創組織CREOのキッズエージェントだ。  子どもをロボットにするロボチップを見つけ、破壊するミッションをやっている。  エージェント、つまりスパイのようなものだから、EDENに見つからないように、こっそりとミッションをやりとげなきゃいけない。  だから、ミッションを成功させるために、おれたちは『怪盗ノット』になっているのだ。
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