4 双子、ケンカする

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4 双子、ケンカする

「高野、入れよ」 「お、お邪魔します……」  次の日の放課後、おれは高野を家に呼んだ。  今日は一緒に勉強するって約束したんだ。 「す、すごいところに住んでるんだね……」  少し緊張している高野だったけど、玄関に入るなり驚いて、キョロキョロと周りを見回した。  たははー、やっぱそういう反応になるよな。 「おれも驚いたからすげーわかる」 「そうなの?」 「うん。けど、もう慣れちゃったけどな」 「やあ、いらっしゃい!」  突然、朗らかな声が響いた。 「双子が友達をつれてくるなんて、初めてだね!」  うわっ、メンドクセーことになったな。  五朗のおじさんが、テンション高くやってきた。  部屋にこもって、仕事をしていたはずなのにっ。  しかも、今日はスウェット姿じゃなくて、白いシャツにデニムのズボン。  イケメンに磨きがかかる、爽やかな格好をしてる! 「は、はじめまして。高野夢人です!」  緊張感がマックスになった高野が、あわあわしながらおじぎをした。 「挨拶ができてえらいねー! はじめまして。双子の伯父の神木五朗です。二人の学校での様子はどうかな? お友達は百人くらいできてる? 給食はしっかり食べてるかな? 勉強は……」  げげっ!  五朗のおじさんのマシンガントークが始まった。  やめろ、恥ずかしいっ。   今時、友達百人なんてありえねー!
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