4 双子、ケンカする

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「は?」 「コツさえつかめれば、なんでも解けるんだろ?」 「なんでもなわけねーだろ」 「怜音はラクしてるよーなもんだよな」 「志音くん……?」  夢人が戸惑っているけど、おれは止まれない。  怜音の声が低くなった。 「ラクなんかしてねーよ。オレはコツをつかもうと工夫してんだよ。いつも宿題をテキトーに終わらせてラクしてんのは、志音だろ!?」 「ラクなんかしてないし! おれはいつも一生懸命やってる。いつも真剣にわかんないことに悩んでるんだ!」 「悩む前に聞けよ! そんなことしてるから、いつも低い点数取るんだろ! 母さんが泣くぞ!」 「怜音はいいよな。同じ双子でも、母さんに似てるから算数が得意で! ずるいよな!」  母さんの話を出してくるなんて卑怯だ。  おれは母さんに似じゃない。  覚えていない父さんに似ているらしい。  おれだって怜音みたいに、母さんに似ているところが欲しかったのに。  おれがぎっとにらむと、負けじとにらみ返してきた。 「し、志音くんも怜音くんも、落ち着いて……」 「ど~お? 三人とも勉強は終わった? そろそろおやつにしようかって……アレ?」  能天気にこの部屋に入ってきた五朗のおじさんが、目をぱちくりさせた。 「どうした? この空気悪い感じ……?」 「えっと、その……」  あわあわしながら答えている夢人に、おれは声をかけていた。
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