5 ミッション開始

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 ホバージェットが動かない!  なんで、どうして!?  スイッチを何回カチカチ押しても、うんともすんとも言わない。  ウソだろ!?  ヤバイヤバイっ、マジでヤバイっ!!  ぐんぐんスピードを上げて落ちる。  ダメだ!  地面に激突してしまう! 「うわわわぁあああああーーーーーーーっ!!」 グンッ 「っああ!?」  突然、思わぬ方向から体が引っ張られた。  瞬間、ドドドンッ、と何かにぶつかる。  全身に痛みが走る。 「い、痛ってぇ……」  ヒリヒリと痛む体をさすりながら、いつのまにか、つむっていた目を開けた。  ここは教室……?  四年二組の教室みたいだ。  助かった、のか……? 「このバカ!!」  怒鳴られて、耳がキーンとする。  びっくりして後ろを振り返ると、そこに怜音がいた。 「れ、怜音!?」 「志音、なにしてんだ!」  怜音が腕を振りかぶる。  殴られる!  と思ったんだけど、背中に手を回され、ぎゅうぎゅうとしがみついてきた。 「怜音……?」 「屋上が騒がしいから、教室の窓から見たらお前が落ちてきた! だから、とっさにコッチに引っ張ったんだ!」 「ありがと、助かった!」 「助かったじゃねーよ! なんで上から落ちてくんだよ!?」 「屋上で警察から逃げようとして……」 「なんで、ホバージェットで飛ぼうとしなかったんだ!?」 「な、なんかスイッチがオンにならなくて……」 「定期チェックしてなかったな!?」 「ご、ごめん」 「オレが気づかなかったら、お前、お前……」
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