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倒れた警官をひょいっと飛び越し、おれは体育館の出入り口へまっしぐらに走った。
「ははは! バカめ、出入り口は封鎖している!」
「袋のネズミだ! 捕まえろ!」
「だから、カンタンには捕まんないんだって」
パワードスーツのスイッチを、ピコピコと何度か押す。
グググン、と空気が震え、エネルギーがどんどんチャージされていく。
「いっけーーーー!」
メリメリメリ、ドガンッ!!
固く閉じた扉を思いっきり押せば、大きな音を立てて扉が開いた。
パワードスーツの出力を最大にした結果だ。
どんなもんだい!
「う、うそだろ……!?」
大泉刑事のうろたえた声を背に受けながら、体育館の外へ出た。
「志音!」
「怜音!」
呼ばれた方向を見れば、体育館の屋根の上で、怜音が待っていた。
すぐに、ベルトのバックルにあるスイッチを、ピコンと押した。
腰に装備した、七つ道具の一つであるホバージェットが起動した。
ウイーン、とうなり声をあげる。
おれの体がふわりと浮くと、またたく間に、怜音の目の前に到着した。
「おまたせ!」
「ったく、やっときたか」
おれと顔がそっくりの怜音が、あきれた表情をして、おれを出迎えてくれた。
おれと同じデザインの黒のジャケットをはためかせ、青色のパワードスーツがちらりと見える。
ちなみに、おれは赤色なんだ。
アツい男って感じだろ?
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