6 新しい算数ドリル

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 そうだよな。  手島を見返すために、テスト勉強がんばってたのにな。 「しかし、喜びなさい。教育委員会から今、検討している新しい算数ドリルがあるということで、四年二組のために特別に支給されました。しっかりと新しい算数ドリルで勉強してください」 「ええーー!」  あ、新しい算数ドリル!?  マジで!?  なんだよ、ソレ?  いらないよ!  クラスのみんなと一緒に目を丸くして、叫んでしまった。 「それから、新しい算数ドリルが学力となっているか確認したいということなので、二週間後に算数のテストを行います。いいですね?」  教頭先生の言葉に、クラスのみんなは大ブーイング。  そんなみんなをよそに、先生たちはさっさと新しい算数ドリルを配り始めた。  おれのところに算数ドリルが渡された。  さっそくペラペラとページをめくって、しっかりと見た。  うん、ロボチップは……ないな。  細かいところもみたけど、マイクロチップはなかった。  はぁ、よかったー。  おれは息をついて、安心した。  キッズエージェントとしての汚名返上だ。 「志音くん、テストあるんだって!」  夢人に声をかけられた。  その夢人を見ると、闘志に燃えて、目がキラキラとしていた。 「よかったな。手島を見返すチャンスはあるじゃん」 「うん!」 「夢人、またウチに来て、一緒に勉強する?」 「ううん。せっかく怜音くんにコツを教えてもらったんだ。今度は一人でがんばりたい」 「すげーじゃん、夢人!」 「ぼく、手島くんを見返すよ」  互いにニッと笑って、拳を突き合わせた。
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