6 新しい算数ドリル

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 けれども、三日後おかしなことが起こった。 「は?」  朝のホームルームの時間。  おれは教室の自分の席に、ぽつんと座っていた。  隣の席の夢人はいない。  というか……おれの周りの席のクラスメイトがいなかった。  な、なんだコレ……?  周りをきょろきょろ見てみると、ほかの席も同じ感じだ。  手島も愛菜もいない。  ざっとクラスの半分以上が学校に来ていなかった。 「どういうことだ……?」  アレ?  今日は創立記念日とかだっけ? 「おはようございます」  広瀬先生が教室に入ってきた。  来た早々、はぁ、とため息をついた。 「先生、どうしたの?」  おれは思わず声をかけた。  だって、いつも元気な先生が全く元気がない。  あきらかにヤバイって感じ。 「みなさん、見てわかる通り、クラスの半分以上が学校へ来ていません。お休みです」 「や、休み?」 「お休みの人は、発熱などの体調不良でお休みしています」  え……体調不良で休み?  風邪とか流行る時期じゃないのに?  だって、昨日まではみんな来てたじゃないか。  突然のできごとに、おれの頭の中はハテナでいっぱいだ。 「こういう状態なので、二組は学級閉鎖が決定しました」 「が、学級閉鎖!? 先生、マジで!?」  目を丸くしたおれに、先生はこくりとうなずいた。
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