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「ただいま!」
タッ、とルーフバルコニーに降り立つと、おれたちを待ちかまえていた長身の男がいた。
神木五朗、おれたち双子の伯父さんだ。
「おかえり」
「今、何時!?」
「八時五十分」
「セーフ! おじさん、大丈夫だよな!?」
「ミッションの時はおじさんじゃなくて、師匠ね。ターゲットは入手した?」
「もちろん」
怜音はベルトに装着していた、手のひらより少し大きめの黒いカプセルを、おじさんに手渡す。
「門限はギリギリだったけど、ミッションは合格。お疲れ~」
五朗のおじさんはイケメンといわれる顔で、ばちこんとウインクをした。
三十代のはずなんだけど、年齢不詳に見える若々しさだ。
五朗のおじさんはキッズエージェントとして活動する、おれたちの監督官でもある。
いろんな技術も教えてくれるから、ぜーんぶひっくるめて、師匠だ。
「志音、怜音、明日は学校でしょ? 寝る準備してねー」
「うわっ、早く寝ないと!」
「志音、明日の準備、忘れるなよ」
「怜音、わかってるっての」
おれたちはそろってリビングの掃き出し窓を開けると、ドタバタとかけだした。
明日は学校だ。
キッズエージェントとして活動しているけど、おれたちは小学四年生なんだ。
しっかり小学生しなきゃだな!
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