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アルーは力がぬけてふわふわになってしまいました。
ともちゃんに衝突するはずだったいきものは、なにもなかったようにビュンと走り去っていきました。
ともちゃんがレンズをのぞきこみます。
「あ! カメラの中になにかいるよ!」
ともちゃんの声にびっくりしたアルーはピョンとカメラをとび出しました。
「アルー、アルー」
どこかでアルーを呼ぶ声がきこえます。
――お母さん?
「あ、お母さんだ!」
ともちゃんがうれしそうに手を振りました。
赤い光の下にいた人がともちゃんに手を振っていました。
ともちゃんのお母さんがおむかえにきてくれたようです。
すると、ともちゃんのお母さんが手に持っていた光る筒の中から、アルーのお母さんが飛び出しました。
アルーもお母さんに出会えたようです。
「お母さん、アイス買ったよ。ごはんの後に食べようね」
「公園楽しかった?」
「うん、写真とったよ!」
ともちゃんの撮った写真には、びっくり顔のアルーも写っていましたが、きっと誰にも気付かれないことでしょう。
でもきっと、ともちゃんと君は気付いてくれるよね?
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