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弟はいつからか、それをティンカボイヤーと名付けて遊ぶようになった。もうすぐ小学生になるし、年明けにはお兄ちゃんになるというのに、少し幼稚すぎるのではないかと心配になってしまう。
だけど可愛い。いや、かなり可愛い。だから俺は、偶然を装って、弟が憧れるティンカを演じているのだ。
今日は腕時計、昨日はステンレス定規、一昨日はスマホの画面で、それを生み出した。
本題はこの後だ。俺はティンカに動きをつけるために腕を回したり、瞬間移動を起こすために違う場所に立ってみたり。とにかく弟に怪しまれないようにするのが大事だった。
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