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「あっ!ここだけ光ってるよ〜。なんでかな〜。」
「みーちゃんどうしたの?ほんとだね〜、ここの壁だけ光ってるね〜。」
僕はカーテンの端から西日が漏れているのを見た。そしてその光は、机の上に置いてあった僕のスマホまで伸びて壁に反射していた。
「みーちゃん!この光はね、お兄ちゃんのスマホにはん」
ここまで言った時、キッチンにいたはずの母さんが口を挟んだ。
「みーちゃんこれはね、ティンカボイヤーって言うのよ。ほら、あんたは早く塾行く準備しなさい。」
僕は塾に向かうバスの中で、妹が生まれる少し前のことを思い出した。あの頃お兄ちゃんは、僕に気づかれないようにティンカボイヤーのふりをしてくれてたみたいだけど、結構前からティンカの正体には気づいてたんだよな。今度は僕がそれをする番なのかもしれない。
塾から帰ったら、いつものようにどんっと足を広げて、みーちゃんは気持ち良さそうに寝ていた。そんな妹の寝顔を見て、明日は塾に行く前にティンカボイヤーで遊んであげようと決めた。
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