ヒカリの子

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眩しっ。 窓から差し込む西日は一筋の光となって、机で寝ていた僕の目を見事に照らした。 「やっべ、寝すぎた。18時に兄ちゃんと会う約束してるのに。」 1週間程前、すっかりご無沙汰になっていた社会人の兄ちゃんから「紹介したい人がいる」なんて、くさいLINEがきた。幸い今日は大学のサークルもバイトもなくて、久しぶりに暇な日曜日だったからOKしたけど、絶対結婚相手だよ。待たせるわけに行かない。 時間を確認しようと壁に目線を向けた時、一部だけ丸く光っていた。久しぶりに兄と話して、最近昔のことをよく思い出していたからだろうか。それを見た時、妙に懐かしい気分になった。兄は名前を覚えているだろうか。小さい頃のぼくのともだちを。
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