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気がついたら僕は彼女を下から眺めていた。東屋の地面に仰向けになっているのだと気付くまでに少し時間がかかった。
「あ、、、あの、、、」
震えた声は彼女に届いたのだろうか。必死になって出た声がこれとは何とも情けない話だ。
下から眺めた彼女はさっきよりも綺麗で、可愛くて、、、
彼女の耳にまで届いてしまいそうな心臓の鼓動が恥ずかしくてたまらない。
「もっといい事、、、する?」
ああ、もうダメだ。
獣の血が滾ってくる感覚がした。
僕だって男なんだから!
彼女の潤んだ瞳が、声が、まるでエナジードリンクの様に僕の体を満たしていく。行きずりの関係だって構わないじゃないか!据え膳食わぬは男の恥。そんな言葉が頭をよぎった。
男の力をもって立場は逆転した。
今度は僕が彼女を下にして上から眺める番だ。そして僕から強引に唇を重ねた。
キスはさっきのが初めてだ。
彼女がしたように僕もしてみたけれど、上手く出来ているかは分からない。甘美な誘惑に負けて重ねる唇には恋も愛もない。
これは本能で、欲望だ。
体中に軽い電気が走っているような感覚が止まらない。ビリビリと心地よい痺れが脳を犯していく。
「ん、、、あ、、、」
彼女の甘い声に僕の衝動が抑えきれなくなる。
もう、、、いいよね?
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