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僕の傘
翌日も下校時に夕立。
しかたない。下校といえば夕方で、夕立は夕方降るものだ。
僕は朝、傘立てに差しておいた黒のギンガムチェックの傘を取り出して開いた。
「待って!」
その声に、僕は舌打ちした。
「急に自分の傘なんてやめてよ。あたしはどうすればいいのよ。」
早坂が隣に来た。僕は彼女をひどく馴れ馴れしく感じた。
「………入れば?」
僕はしかたなく言った。
「そうこなくっちゃ!」
やっぱり、馴れ馴れしい。
なんだろう、このテンションのちがいは。
そして、その日の傘のなかで、僕は早坂から告白されて、付き合うことになった。
適当に返事をしたら、そういう流れになった。
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