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ダムダムダムダム……。
部員たちが片足ついて、ただひたすらにボールをついてる。
「すごい真剣そうだね」
「うん……」
ビビーッ!
タイマーがゼロ表示になったと同時に、倒れこんでいく。みんなぜぇぜぇ言ってるし……。
「なんか、本当に大変そうだね」
「うん……」
水筒に吸い付くように飲んでる人、ずっと倒れこんで動かない人……。
「あ。あれ?」
ハッと振り返る。
「白石さんじゃん」
「……瀬永くん!」
突然の登場に、目が点になる。
「なんでここに?」
「あ、いや俺もう仮入部届出そうと思ってさ。ちょうど職員室前通ったら、白石さんがいたから」
「え、そうなんだ」
「白石さんは何部に入るか考えてるの?」
「うーん、バレーにしようかなって思ってるけど……。瀬永くんは?」
「俺はバスケ!」
「え」
ちょうど今目の前でバスケ部がダムダムとボールをついているので、何だかタイムリーだ。
「なんで、バスケに?」
「うーん。趣味で友達とよくやってたから。ミニバスとかはやってなかったけど、友達にいろいろ教わってて。楽しかったからさ」
「そうなんだ……」
「白石さんも、よかったら、バスケ部入らない? まぁ男女だから練習は違うかもだけど、きっと楽しいからさ」
「……うん」
なんだか体が熱くなって、目線をそらしてしまう。
「じゃ、俺行ってくるな」
ニカッと笑って職員室へと消えていった。
「……舞、瀬永くんと仲良いの?」
「ええっ……、最近ちょっと話すというか……。別に普通というか」
「全然ちょっと話す感じじゃなかったじゃん! え~いいなぁ。あんなかっこいい男子と仲良しなんて」
「いやだからそんなんじゃ……」
慌てて手を横に振る。けれど、恵子はニヤニヤと笑っている。
「もう、そんな照れなくていいのに」
「照れてなんか……!」
顔を真っ赤にさせて、俯いた。
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