4 敵わない……

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 あの二人はどういう関係なんだろう。  さっきからずっとそのことばかり悶々と考えている。おかげさまで、初の朝練は「おい、ボケっとするな」と顧問の先生から注意された。  優しくてかっこいい男子と、明るくて気さくな可愛い女子。  そして幼馴染なんて、まるで漫画の世界だ。  本人たちは「家族みたいな感覚」なんて言ってたけど。でも並んでいてもとても絵になるし、お似合いというか……。  そういえば、恵子が「原田さんはミニバスでエースだったのに、強豪(きょうごう)校の福中に行かずにウチに来たんだ」みたいなことを言っていた。  福中じゃなくて、わざわざウチの中学を選んだのって、もしかして……。 「はぁ……」  考えただけで、頭がガンガンする。 「別に私が特別なんじゃないって」  いつの日か、恵子にそんな風に言った。  自分では「特別なんかじゃない」って割り切っていたはずなのに、心のどこかで自分は瀬永の”特別”なんだと期待してたんだ。  ほんと、ばっかみたい。 「xに2を代入して……」  先生の声が、なんだか遠い国の世界の出来事のような、他人ごとのように聞こえた。
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