5 瀬永ともっと近づきたい!

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「おはよ! 白石」 「おはよ~。瀬永」  六時四十五分。朝練の前に、急いで花壇や庭の手入れをする。  東花のおかげで、ちゃんと二人きり。すごく、気持ちがふわふわする。 「来週からテスト週間だから、しっかり部活ができなくなるね」 「ほんとそれ。もっとうまくなりたいんだけどさ」 「じゃあさ、テスト週間になってもさ、バスケ練習しない? あ、日曜だけさ。今原公民館で。二~三時間くらい!」 「えっ……いいの?」 「勉強に支障がないくらいでさ、やろうぜ」  テスト週間になったら、日曜の特訓もなくなると思っていた。瀬永と変わらず会えるなんて……う、嬉しい……。 「息抜きになるだろうし、やりたい」 「よかった。じゃあ、約束な」  瀬永が右手の小指をピンと立てて、こちらに向けてくる。  え、これって、「指切りげんまん」……?  急いで小指を立てて、瀬永の方へ向ける。 「……!」  すると瀬永が小指をすくいとるように絡めてくる。少し汗ばんでて、私の指先も湿る。ドクン、と心臓が跳ね、顔が熱くなっていく。 「指きーりげんまん、うーそついたら針千本のーます。指切った!」  小指が離れる。でも、感覚がまだ残っていて、瀬永の指とまだ結ばれてるんじゃないか、なんて思う。 「絶対来いよ! 指切りしたし、約束な!」 「……う、うん。絶対行く。や、約束」  まだ心臓の音がやまず、言葉も途切れ途切れになってしまう。  瀬永は深い意味をもってやったわけじゃないのだろう。それに抱きしめられたり、キスされたわけじゃない。  でも、指が絡んだだけで、こんなにも心臓の音がうるさくなるなんて。  本当、私、瀬永が好きなんだな。  わかっているはずなのに、なんだか改めて気づかされて、また顔が熱くなった。
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