5 瀬永ともっと近づきたい!

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 シュッ。 「ナイシュ! すげーじゃん! 白石、どんどん上達してる!」 「ありがとう。こうして瀬永と練習しているからだよ」  東花みたいにレギュラーになれるほどうまくはないけど、シュートが入ったり、褒められたりすると嬉しい。  そして何より、二人きりでいられるこの時間がすごく貴重。 「瀬永は、レギュラーに入れそう?」 「いや~。当分無理だな。レギュラーは先輩たちで占めてるし。趣味でやってたとはいえ、未経験なようなものだし」 「でも、アドバイスも的確だし、いつもきれいにシュート入るし、パスもうまいし! 絶対すぐレギュラーになれるよ!」 「あんま褒めても何も出ないぞ~」  ニカッと笑う。 「ホント、白石といると元気が出るわ。ありがとう」  え、ええ、え。  胸の鼓動がどんどん早くなる。体中が火照っていく。  私といると元気が出る……。  その言葉の意味まんまで、そこに深い何かがあるわけじゃないのだろう。でも、それって、私のこと、好きとか、気になってるとか、そういうことなんじゃないのって、頭の中がぐちゃぐちゃになる。 「わ、私も! 瀬永といると、心がぽかぽかする!」 「え?」  ハッ。  わ、私はまた何を言ってるんだろう。 「いや、その、すごくあったかくなるっていうか、なんていうか、いい気分になるというか」 「あのさ」  瀬永が、まっすぐこちらを見ている。 「俺も、白石といると心がぽかぽかする」 「え」 「一緒にいて楽しいし、落ち着くし」  瀬永の顔がリンゴのように赤くなる。
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